トランプ大統領 施政方針演説 2025/03/04

トランプ大統領 施政方針演説  2025/03/04

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2025年3月5日、アメリカ大統領が議会で演説を行い、「アメリカの黄金時代」の到来を宣言した。過去6週間で100以上の大統領令に署名し、国境安全保障や経済再建に着手。南部国境の不法越境を史上最低に抑え、エネルギーコスト削減や規制撤廃でインフレ対策を推進した。雇用創出と減税を掲げ、農家や製造業を保護する関税政策を導入。犯罪対策として警察官殺害者に死刑を義務化し、不法移民の強制送還を拡大。教育や軍から「覚醒主義」を排除し、子供の健康と安全を優先。ウクライナ和平交渉を進め、国民に団結と繁栄を約束した。

1. 選挙と国民の支持
  • 選挙結果: 2024年11月5日の大統領選で全7激戦州を制し、選挙人団312票を獲得。国民投票でも大勝し、全国の郡で共和党が2,700対525で勝利。「ほぼ真っ赤な地図」と表現。
  • 支持率の変化: 国民の27ポイントという記録的な支持率上昇を達成(過去最高)。「アメリカが正しい方向に進んでいると信じる人が初めて過半数を超えた」と主張。
  • 経済指標: 小企業楽観指数が1カ月で41%上昇し、史上最大の伸びを記録。

2. 国境と移民政策
  • 国境対策: 就任直後に南部国境に国家非常事態を宣言し、軍と国境警備隊を動員。違法越境を「史上最低」に抑制。「バイデン時代は月数十万人の不法入国を許した」と批判。
  • ラーケン・ライリー法: 犯罪を犯す不法移民の拘束を義務付ける法律を初日に署名。ジョージア大学学生ラーケン・ライリー殺害事件(不法移民による)を例に挙げ、母アリソンと妹ローレンを紹介。
  • ジョセリン・ナリー事件: 12歳少女ジョセリンがベネズエラ出身の不法移民に殺害された事件を受け、ガルベストン湾の国立野生保護区を「ジョセリン・ナリー保護区」に改名。
  • 国外追放: 「史上最大の国外追放作戦」を計画。議会に資金を要請し、アイゼンハワー大統領の記録を超えると表明。ベネズエラの「トレン・デ・アラグア」やMS13をテロ組織に指定。
  • メキシコの協力: 関税圧力でメキシコが29人のカルテルリーダーを引き渡し(初の事例)。

3. 経済と規制緩和
  • 行政措置: 就任6週間で約100の大統領令と400以上の行政措置を実施。
    • 連邦雇用、新規規制、外国援助を凍結。
    • パリ協定(数兆ドル節約と主張)、WHO、UN人権理事会から脱退。
    • バイデン政権の環境規制やEV義務化を終了。
  • 政府効率化省: イーロン・マスク主導で新設。無駄な支出を削減:
    • 不法移民への無料住宅・車提供:22億ドル(約3,300億円)。
    • ビルマのDEI奨学金:4,500万ドル(約67.5億円)。
    • アフリカのLGBTQI+支援:800万ドル(約12億円)。
    • トランスジェンダーのマウス研究:800万ドル(約12億円)。
    • 合計で数百億ドルの詐欺を摘発し、債務削減に活用。
  • 社会保障詐欺: 年間5,000億ドル(約75兆円)の詐欺を指摘。例:360歳とされる受給者への支払い。
  • エネルギー政策: 「国家エネルギー緊急事態」を宣言し、石油・ガス採掘を拡大。「アメリカは地球上で最も豊富な液体黄金を持つ」と強調。アラスカで世界最大級の天然ガスパイプラインを計画(投資額:数兆ドル、約数百兆円)。

4. 税制と貿易
  • 税制改革: 議会に以下の減税を要請:
    • 全員対象の永久減税。
    • チップ、残業、社会保障給付への非課税。
    • 米国製自動車ローンの利子控除。
    • 製造業への100%経費償却(2025年1月20日遡及)。
  • 相互関税: 2025年4月2日より、他国の関税率に合わせた報復関税を導入。例:
    • インド:自動車関税100%以上。
    • 中国:平均関税が米国の2倍。
    • 韓国:平均関税が米国の4倍。
    • 「数兆ドル(約数百兆円)の収入と雇用創出」を予測。
  • 投資誘致: 選挙勝利と関税政策で1.7兆ドル(約255兆円)の新規投資を獲得:
    • ソフトバンク:2,000億ドル(約30兆円)。
    • オープンAI・オラクル:5,000億ドル(約75兆円)。
    • アップル:5,000億ドル(約75兆円)。
    • 台湾セミコンダクター:1,650億ドル(約24.75兆円)。
  • 農業支援: 外国農産物に関税を課し、米国農家を保護。
  • 資源関税: 外国産アルミニウム、銅、木材、鉄鋼に25%関税。

5. 社会政策
  • 言語と文化: 英語を公用語に指定。メキシコ湾を「アメリカ湾」、マッキンリー山を再命名
  • DEIと教育: DEI政策と批判的人種理論を廃止。性別を「男と女」のみと定義し、子どもの性転換を禁止。「トランスジェンダーイデオロギーの押し付けは児童虐待」と主張。
  • スポーツ: 女性スポーツへの男性参加を禁止。ペイトン・マクナブ(男子選手に顔を負傷)の事例を挙げ、学校への連邦資金停止を警告。
  • ゴールドカード: 500万ドル(約7.5億円)で米市民権を販売。雇用創出者に税優遇。

6. 法と秩序
  • 警察支援: 警察官殺害者に死刑を義務付ける命令を署名。NYPDジョナサン・ディラー殺害事件を例に挙げる。
  • 犯罪対策: 再犯者への厳罰と警察保護を強化する法案を要請。FBIと司法省を改革。
  • 児童保護: 13歳DJダニエル(脳がん患者)を名誉シークレットサービスエージェントに任命。化学物質による小児がん増加(40%超)を指摘し、HHS長官RFKジュニアに解決を委託。

7. 国防と国際政策
  • 軍事強化: 「ゴールデン・ドーム」ミサイル防衛網を提案。造船業復興のため新事務所と税優遇を導入。
  • パナマ運河: 米国企業が両港を買収し、支配を回復。38,000人の命と巨額の費用で建設された歴史を強調。
  • グリーンランド: 軍事・世界安全保障のため併合を提案。
  • テロ対策: アフガン撤退時のISISテロ首謀者を逮捕(パキスタン協力)。
  • ウクライナ和平: ゼレンスキー大統領とロシアが和平交渉に前向き。「毎週2,000人以上が死ぬ戦争を終わらせる」と表明。米国は3,500億ドル(約52.5兆円)を支出。

8. その他の成果とビジョン
  • 人質解放: ロシアで14年服役のマーク・フォーグルを解放。母マリーン(95歳)と再会。
  • バトラー銃撃事件: 2024年7月13日の集会で襲撃され、消防士コリー・コンペラトーレが犠牲に。妻ヘレンと娘たちを紹介。
  • 未来像: 科学の進歩、火星への旗立て、最高の生活水準を約束。「アメリカの黄金時代」を強調。

締めくくり
トランプは、アメリカの歴史的偉業と国民の愛国心を称え、
「神の助けで最も先進的で強力な文明を築く」と宣言。
演説は「神のご加護を」で締めくくられた。