紀藤正樹弁護士が宮村峻の拉致監禁による脱会活動を支持し、高額訴訟を扱うことで利益を得ていたと、伊藤芳朗弁護士の証言で示唆される。伊藤弁護士との対立を通じて全国弁連内で孤立したものの、宮村との関係を維持し、組織に影響を与え続けた。山口広弁護士の「辞める前のことには関わらない」という発言が、紀藤弁護士を含むメンバーが拉致監禁を黙認する姿勢を象徴。中川氏は、この構造を「不透明で問題」と批判し、拉致監禁問題の公表を訴える。
1. 紀藤正樹弁護士と宮村峻の関係
文書中では、紀藤正樹弁護士が宮村峻と密接な関係にあったとされる。宮村峻が統一教会信者の脱会を目的に拉致監禁を実行し、紀藤弁護士がその活動に関与する形で全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)内で重要な役割を担っていた。伊藤芳朗弁護士の証言によれば、宮村峻が高額な損害賠償請求訴訟を特定の弁護士に優先的に回し、その中に紀藤正樹弁護士が含まれていたと指摘。紀藤弁護士が宮村との連携を通じて金銭的利益を得ていた可能性が示唆されている。
2. 拉致監禁への関与と伊藤弁護士との対立
伊藤芳朗弁護士が宮村峻の拉致監禁による脱会手法に異議を唱え、全国弁連内で問題提起を行った。しかし、紀藤正樹弁護士が宮村を支持する立場をとり、伊藤弁護士を全国弁連の会合から排除する動きを主導。具体的には、伊藤弁護士が2004年のホームオブハート事件で告発された側を弁護したことを理由に、紀藤弁護士が「君はホームオブハートに関わったから」と参加を認めないよう根回しを行い、伊藤弁護士が全国弁連から事実上締め出された。伊藤弁護士は、紀藤弁護士が宮村の拉致監禁手法を容認しつつ、自身は直接関与しない形で利益を得る構造に加担していると批判。
宮村峻が統一教会信者を脱会させるため、信者を尾行し、車で拉致してマンションに監禁する手法を組織的に実施。信者の親族に具体的な指示を与え、自身は直接関与しないよう距離を置いていた。紀藤正樹弁護士は、宮村がテレビ局に脱会した元信者を供給する際、その紹介役として関与。報道が過熱する中で、元信者の証言を基にした訴訟を手がけ、宮村との連携を通じて全国弁連の活動を支えた。文書では、紀藤弁護士が「手配」のような役割を果たしていたと伊藤弁護士が指摘。中川氏は、宮村が月300万円程度の利益を得ていたと述べ、その不透明な金銭の流れに紀藤弁護士が関与していた可能性を仄めかしている。
伊藤弁護士が1994年に宮村峻の排除を提案し、2005年に一時的に成功した後も、紀藤正樹弁護士が宮村との関係を維持。宮村から紹介される訴訟を引き受け続けていた。伊藤弁護士が全国弁連を去った後、宮村が再度組織に関与するようになり、紀藤弁護士が宮村を支える立場を堅持。中川氏は、これを「紀藤弁護士だけは宮村と付き合っていた」と表現し、組織内の歪みを批判。
伊藤芳朗弁護士が拉致監禁を違法行為と認識し、全国弁連内でその実態を問題視した。しかし、紀藤正樹弁護士を含む一部メンバーが「信者が辞める前のことは関わらない」との立場をとり、責任を回避。山口広弁護士が伊藤弁護士に「伊藤さん、僕たちは信者が辞めた後のことにだけ関わればいいから、辞める前のことに一切関わっちゃいけない」と語ったエピソードが引用されており、紀藤弁護士も同様の姿勢で宮村の手法を黙認していたとされる。
6. 中川氏の視点と批判