沈黙を砕く法廷:徳永信一弁護士の正義の戦い - 鈴木エイトと対峙する拉致監禁の真実(新潟シンポジウム)

沈黙を砕く法廷:徳永信一弁護士の正義の戦い - 鈴木エイトと対峙する拉致監禁の真実(新潟シンポジウム)2023年11月3日

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1. 徳永信一弁護士の紹介と背景
徳永信一は1958年(昭和33年)生まれ、京都大学法学部を卒業後大学院を中退し、1988年(昭和63年)に大阪弁護士会に登録された保守派の弁護士である。薬害訴訟、靖国訴訟補助参加、沖縄集団自決訴訟、朝鮮総連所得税減免取消訴訟孔子廟訴訟、琉球新報言論訴訟などに関与してきた。2022年の安倍元首相銃撃事件以降、家庭連合(旧統一教会)信者やUPF会員が自治体との関係断絶決議を巡り起こした民事訴訟で原告代理人を務めている。また、薬害エイズ国際会議や靖国神社代理人らの憲法訴訟にも携わり、「家庭連合信者に人権はないのか」などのテーマで活動。雑誌『正論』や『WiLL』に寄稿する論客として知られ、後藤徹氏が鈴木エイトを名誉毀損で訴えた訴訟の代理人も務めた。

2. 講演の目的とテーマ
徳永弁護士は新潟での講演で、人権侵害の「闇と沈黙」をテーマに語った。特に拉致監禁問題に焦点を当て、社会やメディアが見て見ぬふりをしてきた実態を告発する意図を示した。講演は大阪から訪れた彼にとって、新潟という「義の国」でこのテーマを扱えることに深い印象を残したと述べられている。

3. 中国の臓器狩りと社会の沈黙
中国における法輪功信者やウイグル人への臓器狩りを例に挙げた。生きた人間の臓器が摘出され、移植に利用されるこの行為は、儲かるだけでなく命を救う有効利用ともされるが、人権侵害の側面が強いと指摘。世界中で知られている問題にもかかわらず、メディアや社会が「見て見ぬふり」を続けてきたと批判した。大阪では維新の会が政治を握る中、臓器狩りに関するポスター展が長年認められなかったが、2025年に米中関係の複雑化を背景に初めて開催が許可された。台湾の市民団体が主催したこの展覧会は、中国政府や大使館からの圧力に屈せず開催された事例として紹介され、人権侵害への沈黙が徐々に破られつつあると分析した。

4. ジャニーズ問題とメディアの対応
ジャニーズ事務所ジャニー喜多川による長年にわたる性被害を例に、日本のメディアが問題を報道せず放置してきたことを指摘。噂として知られていたが、2023年のBBC告発番組をきっかけにようやく人権侵害として表面化し、事務所が解散に至った経緯を説明した。外部からの指摘がなければ動かなかった日本の世論のパターンを示し、その怖さを強調した。

統一教会信者に対する拉致監禁事件に焦点を移した。後藤徹氏の事例(2014年東京高裁判決、2015年最高裁判決)を挙げ、拉致監禁が違法かつ犯罪行為と認定され、2200万円の損害賠償が認められたことを紹介。しかし、この事実が国民に十分知られていないと嘆き、自身も含めて認知度が低かったと告白した。国連からも日本での拉致監禁に対する勧告が出ていたが、教会側のアピール不足もあり、問題が埋もれていたと分析。安倍元首相暗殺事件を機に旧統一教会関連の問題が再注目され、この事件が浮上してきたと述べた。

6. 鈴木エイトの言動と名誉毀損訴訟
自称ジャーナリスト鈴木エイトが、後藤徹の拉致監禁事件をブログやテレビで「ただの引きこもり」と揶揄し、最高裁判決の事実を否定する発言を繰り返したことを問題視した。例として、「12年間の引きこもり生活の末に2000万円をゲット」「教会が仕組んだ被害者アピール」などの記述を挙げ、これが後藤の名誉を毀損していると主張。鈴木エイトがシンポジウムで「どうでもいい」と発言したことを取り上げ、人権擁護を掲げる彼が事実を否定する意図を示したと解釈した。徳永弁護士は後藤氏の代理人として鈴木を提訴し、現在進行中の裁判で争っている。

7. 裁判の焦点と展望
鈴木エイトが裁判で勝つには、拉致監禁が事実でないことと後藤氏が嘘をついていることを証明する必要があるが、最高裁判決がある以上それは困難だと徳永弁護士は自信を示した。鈴木エイトの「嘘泣き」「被害者アピール」発言が裁判のテーマとなり、後藤氏の名誉毀損を立証する形で進行中である。この裁判を通じて拉致監禁問題を再び世に問う意図があり、2015年の判決から8年経過した今、名誉毀損訴訟という形で焦点を当て直していると説明。必ず勝つ意志を示し、聴衆に支援を求めた。

まとめ
徳永弁護士は、中国の臓器狩りやジャニーズ問題を例に、人権侵害に対する社会の沈黙を批判しつつ、旧統一教会関連の拉致監禁事件を核心に据えた。後藤徹氏の事件を巡り、鈴木エイトの否定的発言が名誉毀損として訴訟に発展し、最高裁判決の事実を再検証する場となっている。人権問題への無関心やメディアの怠慢を告発しつつ、裁判を通じて真相を明らかにする決意を強調した。