雑誌『致知』久保木修己が語る勝共運動と宗教の時代への展望

困難に打ち克つ信念の軌跡 - 久保木修己氏が語る勝共運動と宗教の時代への展望

雑誌『致知』1990年12月号

久保木修己氏は中国生まれ、九死に一生を得た経験から勝共連合を創設。非暴力・理論戦で共産主義に対抗し、宗教的信念で困難を乗り越えた。このインタビューは半生と勝共運動の意義を振り返る内容となっている。

1. 困難を乗り越えた半生
  • 出自と少年時代: 久保木氏は1931年に中国で生まれ、終戦時に中学1年生だった。学徒動員で毒ガス製造工場に配属され、命の危険にさらされた経験や、引き揚げ船が台風で漂流し沈没寸前で助かった経験など、九死に一生を得た出来事が人生観に影響を与えた。
  • 宗教への傾倒: こうした体験から「人間の運命の無常さ」や「何か天に用いられているのではないか」という思いが芽生え、宗教的な道を志すようになった。
2. 勝共運動の開始と信念
  • 創立の背景: 1960年代、日本の社会が共産主義や容共的な思想に傾きつつあることに危機感を抱き、30歳の時に国際勝共連合を設立。資金ゼロから廃品回収で活動を始め、100名余りの仲間と共に非暴力・理論戦で共産主義に対抗した。
  • 理論戦の重視: 街頭や大学キャンパスで共産主義の矛盾を訴え、暴力ではなく言論で戦った。訓練所で4日~40日の理論学習を行い、徹底的に思想を鍛えた。
3. 共産主義の終焉と未来への展望
  • 予見と実績: 1985年にスイスの会議で共産主義の終焉を宣言し、1990年頃にその終わりを予測。実際にソ連崩壊が現実となり、自身の予見が的中したと語る。
  • 宗教の時代へ: 1992年以降は「心の問題」や「宗教の時代」が到来すると予測。世界平和連合を設立し、国家や人類のために尽くしながらそれを忘れる「為に生きて忘れる心」を重視。
4. 影響を受けた三人の師
5. 困難への対処法と精神
  • 「有り難い訓練」: どんな困難も天からの試練と捉え、乗り越えることで人生が豊かになると考える。
  • 運動の成果: 初期の冷たい視線やデマにも屈せず、現在は750万人の支持を得るまでに成長。
困難を力に変えて:共産主義を超えた平和への道
久保木氏は、共産主義に対抗するだけでなく、食糧問題や平和への貢献を目指し、宗教的な精神を基盤に活動を展開してきた。その人生は、困難を「有り難い訓練」と受け止め、信念で乗り越えた軌跡であり、1992年以降の「宗教の時代」を見据えた展望を示している。