米本和広はルポライターとして統一教会(現・世界平和統一家庭連合、以下「家庭連合」)とその周辺問題を長年取材し、特に信者への拉致監禁や強制改宗の実態を暴いてきた人物だ。ブログ「火の粉を払え」や著書『我らの不快な隣人』では、家庭連合信者の人権侵害を訴えると同時に、反統一教会活動家や弁護士の行動に鋭い批判を加えている。
その中でも、全国霊感商法対策弁護士連絡会(以下「全国弁連」)の中心人物である紀藤正樹に対する人物評は、家庭連合問題を多角的に捉える上で欠かせない視点を提供する。
米本和広の経歴と拉致監禁問題への関与
米本氏は家庭連合信者への拉致監禁問題に深く関わり、その実態を世に知らしめてきた。後藤徹氏の拉致監禁裁判では陳述書を提出し、被告側が反論できない事実を提示した。家庭連合の内情や問題点を批判しつつ、反統一教会陣営の非人道的な行為にも目を向け、「是々非々」の立場を貫く。この姿勢から、全国弁連や紀藤正樹の活動にも厳しい視線を投じる。
紀藤正樹とは
紀藤正樹は全国弁連の主要メンバーとして、家庭連合信者による高額献金や霊感商法の被害者救済を掲げて活動する。メディアに頻出する人物で、家庭連合を「カルト」と位置づけ、解散を求める発言で知られている。しかし、米本氏は紀藤の活動に疑問を投げかけ、その動機や手法に潜む矛盾を指摘する。
紀藤正樹の問題点
以下に、米本和広氏が指摘する紀藤正樹の問題点を項目ごとにまとめる。
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外部検証の回避
米本氏は、紀藤が「国境なき人権」からの取材要請を無視した事例を挙げ、「卑怯」と非難する。2011年の国際会議で知り合った後、調査協力を求める連絡にも応じなかったこの態度は、自らの主張を正当化しつつ外部の検証を避ける傾向を示す。米本は「人権派を自称する弁護士として恥ずかしくないのか」と問いかける。 -
信者への非人道的な対応
2022年の安倍暗殺事件後、紀藤がTwitterで家庭連合信者を晒し上げ、攻撃的な対応を見せたことが読者コメントで指摘される。米本は直接言及していないが、こうした行動は被害者救済を掲げる弁護士の倫理に反する。信者を公に晒すことで攻撃を誘発しつつ、我関せずを決め込む姿勢は、救済とは程遠い。 - 山上容疑者が「正義の弁護士」に相談しなかった理由
米本氏は、山上徹也容疑者が紀藤や全国弁連に相談せず、自身に手紙を送った理由をブログで分析する。山上が「火の粉を払え」を読み、全国弁連の欺瞞性(金銭的癒着や拉致監禁への黙認)を認識していたためだと推測する。米本は、山上が反統一教会陣営を「ファミリークラッシャーの偽善者」と見なし、接触を避けた可能性を指摘。自身の「是々非々」の姿勢が山上に共感を呼び、手紙の宛先に選ばれたと考える。
結論

