ルポライターの米本和広氏は、2012年1月7日のブログ記事「有田さんと宮村グループの怪しげな関係」において、当時国会議員であった有田芳生(立憲民主党)と、統一教会からの脱会支援活動で知られる宮村峻(たかし)との間に不透明な関係があると指摘した。

これに対し、有田がXで反論ポストを投稿したが、その内容に虚偽が含まれているのではないかとの声が上がっている。また、宮村氏は過去に統一教会信者に対する拉致監禁事件で民事裁判に敗訴しており、その事実が改めて注目されている。本稿では、米本氏の指摘、最近の動向、そして宮村の裁判敗訴の詳細を踏まえ、両者の関係性とその背景に迫る。
有田芳生と宮村峻の接点:米本氏の指摘
米本氏によると、有田と宮村の関係は、統一教会問題を巡る活動を通じて構築されたものだ。有田はジャーナリスト時代から統一教会を批判する立場をとり、その後政治家としても同様の姿勢を貫いた。一方、宮村は「改宗請負人」として統一教会信者の脱会を支援する活動を行い、一部で違法性が指摘される手法を用いていたとされる。米本氏は、両者が「同志」として統一教会に対抗してきたと述べつつ、その関係が単なる理念の共有を超えた金銭的取引に及んでいると主張する。
具体的には、有田が東京都選挙管理委員会に提出した2008年から2010年の「有田芳生後援会」の政治資金収支報告書に、宮村が脱会説得に関わったとされる元信者やその家族からの寄付が記載されている。例えば、2009年に「M葉子」さんが30万円、「T葉子」さんが5万円を寄付し、それぞれの母親も少額を寄付している。米本氏は「どうして有田の選挙応援をしなければならないのか」と疑問を呈し、特にM葉子さんの30万円という高額寄付について、宮村が間接的に資金提供を指示したのではないかと推測する。対照的に、宮村本人は有田に1円も寄付していない点も不自然だと指摘し、「宮村さんがM葉子さんに30万円が入った財布を渡して『有田に寄付して』と言ったのではないか」と皮肉交じりに述べている。
さらに、宮村が代表を務める「株式会社タップ」に、有田氏が2009年に名刺代12万円と後援会リーフレット代29万円を支払っている事実も明らかにされている。これにより、両者間の直接的な金銭のやり取りが存在したことが確認される。
宮村峻の裁判敗訴:拉致監禁の事実認定
宮村の活動については、過去に司法の場で違法性が認定されている。2015年10月1日に世界平和統一家庭連合(旧:統一教会)が公開した情報によると、統一教会信者であった後藤徹氏が、12年5か月にわたり都内のマンションなどに拉致監禁され、脱会を強要されたとして、親族と宮村を含む改宗活動家らを相手に損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第3小法廷(大橋正春裁判長)が2015年9月29日に最終判決を下した。最高裁は、改宗活動家らの上告を棄却し、後藤氏の勝訴が確定。東京高裁(須藤典明裁判長)が2014年11月13日に下した判決が支持され、親族と改宗活動家らに総額2200万円の損害賠償支払いが命じられた。
この判決では、拉致監禁の事実がほぼ全面的に認定され、宮村に対しては損害のうち1100万円、新津福音キリスト教会の松永堡智牧師に対しては440万円を連帯して支払うよう命じられた。後藤氏は「全国拉致監禁・強制改宗被害者の会」のサイトでコメントを発表し、自身の体験と裁判の意義を訴えている。米本氏はこの判決を引用し、宮村氏の活動を「犯罪的」と表現し、こうした人物と有田氏が密接な関係を持つことの適切さを問うている。
浜田聡議員による追及と有田氏の反論
この問題は、2025年3月13日に新たな展開を迎えた。参議院議員の浜田聡氏が国会で、立憲民主党と宮村氏の関係を問題視する発言を行った。浜田氏は、「旧統一教会の信者さんを数千人単位で拉致監禁、指南していた脱会屋が立憲民主党と仲がいいんですよ、その代表格が宮村峻という人物、要するに立憲民主党が人を拉致監禁している、立憲民主党けしからんという情報提供頂いている」と批判した。
浜田さん。いい加減なことを吹聴しないでください。僕が教団に詳しい宮村さんを呼んで話を聞いたのは事実です。それが最初で最後。なぜ家族が自宅を離れて信者になった息子や娘と話し合いをしなければならなかったのか。教団の異常な妨害があったからです。そんな歴史もご存じないでしょう。「調査なく… https://t.co/SMuDxzF4aw
— 有田芳生 (@aritayoshifu) 2025年3月13日
これに対し、有田氏は同日、Xで反論を投稿(
」と反発。
@aritayoshifu
、2025年3月13日)。有田氏は、「僕が教団に詳しい宮村さんを呼んで話を聞いたのは事実です。それが最初で最後」と述べ、宮村氏との接触が一度きりであったと主張した。また、「数千人」という浜田氏の発言を「まったく根拠なし」と否定し、家族が信者となった子女と話し合うために宮村氏の支援が必要だった背景を説明した。しかし、このポストに対し、複数のユーザーから疑問や批判が寄せられている。例えば、
@Gasshichannel
は「『拉致監禁』を否定してないということですよね?」と指摘し、
@ox5jLz5giWAsMcp
は「だからって拉致監禁していいの〜@yukinko2025
は、過去の有田氏のポスト(2010年)を引用し、「違法行為を行っていた宮村氏と貴殿は、ズブズブの関係だ」と非難している。有田のポストに虚偽の疑い
有田の「宮村氏との接触は一度きり」という主張に対し、米本氏が指摘した過去の金銭的関係や、宮村が関与したとされる人物からの寄付が複数年にわたって存在する事実を考慮すると、疑問が浮かぶ。米本氏のブログでは、2009年と2010年に宮村氏関連の人物からの寄付や、宮村の会社への支払いが記録されており、単なる「一度きりの接触」では説明がつかない。また、
@yukinko2025
が引用した2010年の有田氏のポストでは、宮村との関係を肯定的に語る内容が確認されており、接触が一度きりであったとする主張との整合性が問われる。Xユーザーからは、「有田さんご自身が統一教会の歴史を歪んだ視点でしか見れない」(
@IchiShikku
)、「わかってて嘘を吹聴してる」(
@green650405
)といった声が上がり、有田氏の発言に虚偽が含まれているのではないかとの疑念が広がっている。
さらには、有田自身が2010年に雑誌で宮村峻と討論をしているとポストしている。統一教会が「拉致・監禁」と主張する信者の脱会問題。討論初公開。出席は浅見定雄(東北学院大名誉教授)、山口広(弁護士)、宮村峻(会社役員)、有田。「月刊タイムス」購読の方はお名前、住所を明記の上ファクス(03−5269ー8460)を同社にお送りください。定価530円、送料サービス。
— 有田芳生 (@aritayoshifu) 2010年3月9日
怪しげな「絆」の真相
米本氏は、宮村と脱会者、そして有田を結ぶ関係を「絆」と表現しつつ、その裏に隠された意図を疑う。宮村氏の支援を受けた脱会者が数多く存在するにもかかわらず、有田氏への寄付者はごく少数に限定されている点や、2009年に有田氏が後援会に150万円を寄付した資金の出どころが不明確な点を挙げ、「宮村さんが自分の名前を出さずに資金を提供したのではないか」と推測する。このような憶測は証拠に乏しいものの、米本氏の主張する「怪しげな関係」を象徴するエピソードとして提示されている。
結論:国政政党である立憲民主党が犯罪的 脱会屋と関わりを持つのは重大問題