日本人でない文氏が、なぜ日本での拉致監禁問題に深く関与し、被害者を支えたのか。その背景には、韓国生まれで米国育ちの彼の人生経験と価値観が大きく影響している。本稿では、文氏のスピーチ、ブログ「あと10年をポジティブに生きる記録」(米本氏著、2017年6月14日投稿)、文氏の組織改革の成果、そして情報戦の意義を基に、その闘いの意味と現代の課題を結論づける。

文國進氏の背景:人権意識と闘争心の源泉
文國進氏は韓国生まれだが、米国で育ち、韓国や日本よりも人権意識に敏感な環境で形成された。父親・文鮮明師が繰り返し投獄され、監禁とも言える経験をした姿を見てきたその息子にとって、自由と信仰の抑圧は許しがたい問題だった。
米国ではアジア人差別や「ムーニー」への嘲笑を乗り越え、強い誇りを持って生き抜いた経験が、正義感を育んだ。
さらに、父親譲りの反共産主義の信念を持ち、拉致監禁の背後に共産党系弁護士の関与を看過できなかったことだろう。米国で銃製造会社を経営し、トランプ大統領や米国の保守派に通じる現実的な闘争姿勢——共産主義の暴力には抑止力と武装で対抗する——を身につけていた彼は、拉致監禁という悪に対し、具体的な行動で立ち向かう決意を持っていた。これらの背景が、日本人でない文氏が日本の拉致監禁問題の闘士となった原動力だと推測される。
文國進氏スピーチ:『全国拉致監禁・強制改宗被害者の会結成大会』(2010年1月8日)
皆さん、こんにちは。
今日、拉致監禁という深刻な問題に立ち向かうため、皆さんと共にこの場に立っています。私はこの問題を知った時、心が震えました。統一教会に生まれ育ちながら、日本で43年以上、兄弟姉妹の皆さんが壮絶な人権侵害に耐えてきたことを知らなかったからです。
今日、拉致監禁という深刻な問題に立ち向かうため、皆さんと共にこの場に立っています。私はこの問題を知った時、心が震えました。統一教会に生まれ育ちながら、日本で43年以上、兄弟姉妹の皆さんが壮絶な人権侵害に耐えてきたことを知らなかったからです。
後藤徹さんや多くの被害者の話を聞き、この現実を直視しました。拉致監禁のさなか、皆さんは殴られ、レイプされ、動物のような扱いを受けてきました。それでも、信仰を守り、家族だけでなく国と世界を愛した高潔な人々です。そんな皆さんへの虐待は、許されざる犯罪です。
私は信じています。後藤さんの心に燃える義憤は、神様から与えられたものだと。この義憤を、全世界の兄弟姉妹が共有しなければなりません。私たちはもう、悪事を黙って見過ごすわけにはいきません。悪人に自らの罪を悟らせるため、義憤を持って立ち向かうこと——それは、真の愛であり、憐れみです。赦しへの道は、対決を通じて初めて開かれます。
聖書の出エジプトを思い出してください。イスラエル民族は苦役の末、神様によって解放されました。私たちも、40年以上にわたり日本で苦しみを耐え抜いてきました。今、神様が私たちを束縛から解き放とうとされています。真理と正義、神様への信仰を持って戦うなら、必ず勝利します。 自由と勝利を勝ち取るため、共に立ち上がりましょう。
しかし、戦いだけでは足りません。拉致監禁で心に深い傷を負った兄弟姉妹がいます。彼らは、私たちのために苦労を耐え抜いた統一家の殉教者であり、聖人です。私たちは彼らを温かく抱擁し、慈しみと配慮を示さなければなりません。彼らの心の重荷を軽くし、共に癒していきましょう。
皆さん、お願いです。被害を受けた兄弟姉妹に、心からの愛とサポートを届けてください。彼らを癒し、正義のために戦い続けることで、統一教会の真の姿を世に示しましょう。世間は、私たちの義なる信仰を知り、義人たちの存在を認める日が必ず来ます。
正義のために戦いましょう。
傷ついた兄弟姉妹を支えましょう。
神様の導きと共に、勝利への道を切り開きます。
共に戦い、共に癒し、未来を築きましょう。
傷ついた兄弟姉妹を支えましょう。
神様の導きと共に、勝利への道を切り開きます。
共に戦い、共に癒し、未来を築きましょう。
ありがとうございます。
米本氏の評価:文國進氏の「情厚いリーダーシップ」
米本氏のブログ記事「拉致監禁体験者をねぎらっていた情厚き国進&亨進」(2017年6月14日)では、文國進氏の被害者への具体的な配慮が絶賛されている。韓国在住の被害者の投稿によると、国進氏と文亨進氏は、毎年盆と正月に手紙付きのお歳暮(統一グループの鯖工場製の冷凍鯖、約3000円相当)を被害者に送っていた。この心遣いは、両氏が教会から離れた後に途絶えたが、被害者にとって大きな励みだった。
米本氏の評価:
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末端への気配り:2010年頃、教会が拉致監禁被害者の自己申告調査を実施した際、国進氏は被害者を「聖人」と称し、賞状を授与、精神治療の支援を指示。米本氏はこの姿勢を「末端まで気配りする情厚さ」と称賛し、「文家4男の韓国人国進(クッチン)は偉い!」と評価。
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心温まる支援:お歳暮には韓国文化に基づく冷凍鯖と、署名入りの挨拶文が添えられ、被害者に「美味しく、嬉しかった」との喜びを与えた。米本氏は、この細やかな行動を国進氏の人間性の証として高く評価。
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人間性の輝き:後藤徹氏が国進氏に感謝の手紙と家族写真を送ったところ、国進氏がその写真を額に入れて飾ったエピソードを、米本氏は「情厚いリーダーシップの象徴」として絶賛した。
なぜ日本人でない文國進氏が「拉致監禁」と闘ったのか?
文國進氏が日本人でないにもかかわらず、拉致監禁問題に立ち向かった理由は、彼の背景に深く根ざしている:
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人権意識の鋭さ:米国育ちの文氏は、韓国や日本よりも人権問題に敏感な環境で育ち、父親の投獄経験から自由の抑圧に強い義憤を抱いた。拉致監禁は、信仰と人権を踏みにじる許されざる行為だった。
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差別を乗り越えた誇り:米国でアジア人差別や「ムーニー」への嘲笑を経験しながら、誇りを持って生き抜いた文氏は、被害者の苦しみに共感し、彼らを「聖人」として尊んだ。
「報道テロ」という情報戦に勝つ
文國進氏の闘いは、拉致監禁という物理的暴力だけでなく、現代の「報道テロ」という情報戦にも通じる意義を持つ。UPF(世界平和連合)創設時の文鮮明師の講演にあるように、統一教会は世界中の終わりなき戦争を終わらせ、戦争や紛争で使われる人殺しの戦費を平和利用に転換し、自国の利益で対立する国連の限界を超える新たな世界秩序を目指してきた。
しかし、この平和への志は、共産主義勢力による激しい抵抗に直面する。ジョン・F・ケネディ、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア、安倍晋三元首相、ドナルド・トランプ元大統領のように、平和と自由を掲げる指導者は暗殺や暗殺未遂の標的となってきた。
だからこそ、暴力に絶対に屈せず、報道テロという情報戦で打ち勝つ必要がある。オールドメディアが拉致監禁の歴史を隠蔽し、世論を捏造操作する中、統一教会は「言葉」と「対話」を武器に真実を伝えなければならない。共産主義の暴力革命思想の弱点は、「気に入らなければ暴力」という一方通行で対話ができないことだ。拉致監禁幇助の疑いがある全国弁連の紀藤正樹弁護士、山口広、有田芳生、名誉毀損裁判で敗訴した鈴木エイトらが「対談」を避けるのは、対話の欠如を象徴している。
家庭連合は、言葉を通じた伝道、祈りを通じた神との対話を専売特許とする。情報戦に勝つとは、共産主義の暴力に対抗し、対話と真理で世論を動かし、平和的な勝利を収めることだ。日本共産党(志位和夫委員長)が「最終戦争」を宣言し、高齢化で自然消滅の危機に瀕する中、家庭連合は得意な「言葉」の力で、共産主義の暴力思想を乗り越え、平和な世界秩序を築く使命を担う。
結論:情報戦での平和的勝利を
文國進氏のスピーチは、拉致監禁問題への義憤と正義の戦いを訴え、被害者を「殉教者・聖人」として尊ぶ姿勢を示した。2009年、彼は日本統一教会の組織改革を主導し、コンプライアンス宣言をスタートさせ、組織の透明性と改善に貢献。2015年の後藤徹氏の最高裁勝訴を契機に、拉致監禁事件は激減し、文氏の指導が実を結んだ。