2025年4月18日、NHK党主催の「国民会見」において、旧統一教会(世界平和統一家庭連合、以下家庭連合)に関連する公共施設の利用制限問題が取り上げられ、活発な議論が交わされた。参加者からの質問に対し、立花孝志党首(NHK党代表)と浜田聡参議院議員が回答し、信教の自由や集会の自由をめぐる憲法上の問題、暴力への屈服、社会的偏見について深い見解を示した。本記事では、この議論を家庭連合を中心に詳細に整理し、背景と意義を探る。
国民会見 2025年4月18日

公共施設利用制限の実態
会見で質問者(YouTuber、中田サ氏)は、2023年3月25日の家庭連合に対する解散命令以降、信者や関連団体がさまざまな人権侵害を受けていると指摘。特に、公共施設の利用制限が顕著な問題として浮上していると述べた。
岡山県の事例
岡山県教育委員会は、家庭連合の関連団体「世界平和女性連合」に対し、県立生涯学習センターの使用を許可した。2025年6月29日、岡山市北区で女子留学生日本語弁論大会が開催される予定だ(産経新聞デジタル、2025年4月18日報道)。しかし、市民団体から許可取り消しを求める声が上がり、共産党の岡山県議が問題提起したとされる。県教育委員会は「法令に基づく判断」として許可を維持する方針を示している。
下関市の動き
一方、山口県下関市では、家庭連合関連団体に対し、市の施設利用を禁止する決定が下された。質問者は、このような動きが全国の自治体に波及する可能性を懸念。「プロ市民」と呼ばれる一部の団体が自治体に圧力をかけ、利用を阻止する状況が生じつつあると指摘した。
人権侵害の懸念
質問者は、家庭連合の信者も日本国民であり、公共施設の利用制限は憲法で保障された集会の自由(憲法21条)や信教の自由(憲法20条)を侵害する可能性があると主張。この問題を浜田議員に国会で取り上げてほしいと訴えた。なお、質問者は家庭連合の信者ではなく、過度な制限が「いじめ」に見えるとして義憤から発言したと強調した。
浜田聡議員の対応:国会での問題提起
浜田議員は、家庭連合から寄せられた相談に基づき、公共施設利用制限に関する質問主意書をすでに提出していることを明らかにした。主意書の例として、「岸田総理の断絶を単とする地方自治体における家庭連合信者の公的施設の利用を禁じる等の決議が検討されていることに関する質問主意書」を挙げた。
政府の曖昧な回答
しかし、政府の回答は「特定の団体に関する質問には回答を差し控える」「政府としてお答えする立場にない」と曖昧なものだった。浜田氏は多くの質問主意書を提出しているため、具体的な回答内容を即座に思い出せなかったが、公開情報としてネットで検索可能と述べた。家庭連合からの相談は事務局を通じて継続的に寄せられており、今後も適宜質問主意書や国会での議論を通じて問題を追及する方針を示した。
今後の展望
浜田氏は、家庭連合の適宜発信や質問主意書のチェックを質問者に勧め、引き続きこの問題に取り組む姿勢を明確にした。公共施設利用制限が全国的に広がる中、国会での議論が注目される。
立花孝志党首の主張:「信教の自由」擁護と「暴力への屈服」批判
NHK党 立花孝志党首
— あいだ けいこ (@SekaiShukyoNews) 2025年4月19日
家庭連合解散命令について「信教の自由」擁護と「暴力への屈服」批判‼️ pic.twitter.com/CsitBqfjuu
立花党首は、家庭連合への過度な制限を強く批判し、憲法20条の信教の自由を重視する立場を明確にした。以下に、彼の主要な主張を整理する。
信教の自由の擁護
立花党首は、家庭連合が組織的な犯罪を犯していないにもかかわらず、過剰に制限される現状を「不当」と断じた。個人的には、家庭連合の教義(例:知らない男女を写真で結婚させる慣行)を「気持ち悪い」と感じると率直に述べたが、信者が幸せであれば他人が介入すべきでないと主張。国民一人一人が信教の自由の意義を再考すべきと訴えた。
暴力への屈服批判
立花党首は、安倍晋三元首相の殺害事件を例に、暴力が家庭連合を潰す手段として犯人によって利用されたと指摘。岸田総理や社会がこれに屈し、家庭連合への制限を強化することは、犯人の意図通りになると批判した。「安倍氏は天国で『なぜ暴力に屈するのか』と思っているはず」と感情的に訴え、暴力に屈しない社会の必要性を強調した。
憲法改正の提案
立花党首は、信教の自由(憲法20条)に反対の立場を表明し、憲法改正の議論が必要な時期に来ていると主張。ただし、公務員が憲法に反対するのは憲法99条に抵触する可能性を認め、表現の自由(憲法21条)を根拠に発言した。この発言は、家庭連合問題を契機に、信教の自由の枠組みを見直す議論を促すものとして注目される。
社会的偏見への警鐘
立花党首は、「家庭連合=悪」「擁護者=悪」という単純化された見方が国民に広がっていると批判。犯罪事実がないのに制限されるのは憲法違反であり、メディアの偏向報道がこの偏見を助長していると指摘。質問者と同様、家庭連合への同情や義憤から発言しており、特定の支持ではないと強調した。
議論の背景と社会的意義
解散命令の影響
2023年3月25日の家庭連合への解散命令は、信者や関連団体の社会的な扱いに大きな影響を与えた。公共施設の利用制限は、解散命令後の社会的圧力の一例であり、信教の自由をめぐる議論を再燃させている。
メディアの役割
立花党首は、メディアが家庭連合を一方的悪者として報道することで、社会的分断や偏見を助長していると批判。この点は、会見で取り上げられた他の話題(兵庫県知事選やクルド人報道での偏向報道)とも共通する。放送法第4条(多角的取材の義務)の遵守を求める声が強く、メディアの責任が問われている。
国民への呼びかけ
立花党首は、家庭連合問題を通じて、国民が信教の自由や暴力への対応について深く考えるべきと訴えた。単純な善悪二元論に流されず、憲法で保障された自由の意義を再評価する必要性を強調。質問者の義憤に基づく発言も、このような国民的議論を促す一歩となった。
結論:人権と自由をめぐる課題
国民会見での家庭連合に関する議論は、公共施設の利用制限が単なる行政問題にとどまらず、信教の自由、集会の自由、暴力への対応、メディアの偏見といった広範なテーマに及ぶことを示した。浜田議員の国会での追及は、政府の曖昧な姿勢を浮き彫りにし、今後の議論の進展が期待される。一方、立花党首の信教の自由擁護と暴力への屈服批判は、憲法改正を含む深い議論を提起。質問者の義憤は、国民一人一人が人権と自由について考える契機を提供した。
家庭連合問題は、日本社会における自由と人権のバランスを問う試金石である。国民会見のような公開の場での議論が、偏見を超えた対話を促進し、公正な解決への道を開くことを願いたい。