1. はじめに
令和7年3月25日、東京地方裁判所(鈴木謙也裁判長)は、世界平和統一家庭連合(以下、家庭連合)に対し、民事訴訟の確定判決、訴訟上の和解、裁判外の示談を根拠に不法行為を推測し、被害額を水増しして解散命令を下した。
この決定に対し、家庭連合は令和7年4月21日に抗告理由書を東京高等裁判所に提出し、地裁の判断の不当性を詳細に論証した。金沢大学教授の仲正昌樹氏(
@nakamas2
)は、X上で地裁決定の証拠精査不足や推測の杜撰さを批判している。本記事では、抗告理由書と仲正教授の投稿を基に、地裁決定の問題点を具体的に検証する。2. 地裁決定の概要と問題の背景
特に、2010年のコンプライアンス宣言以降の献金に関する不法行為の推測が問題視される。民事判決はわずか2件であるにもかかわらず、地裁は和解・示談を一律に不法行為とみなして被害額を水増しし、「看過できない被害」が続いていると結論付けた。
家庭連合の抗告理由書は、和解・示談事案ごとに事実関係を検証し、地裁の推測の誤りを明らかにする。以下、代表的な事案を基に問題点を整理する。
3. 訴訟上の和解事案の問題点
抗告理由書は、以下の3つの訴訟上の和解事案(仮名)を詳細に分析し、地裁の不法行為推測の不当性を主張する。
(1) 山田花子(甲F 100号証)
問題点:
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和解の性格:和解は裁判所の勧試と、山田の心身への配慮(夫の暴力や全国弁連の影響)によるもの。法的責任の不存在を前提とした一部返金。
仲正教授のコメント(X投稿: 1916795856079986798):
“かなり重大な問題であるように思える。一審で原告の訴えが全て棄却された後、二審で裁判所の勧めで和解に応じたのに、それが解散命令裁判(鈴木謙也裁判長)では、数えられてしまった。担当が違うとは言え、裁判所のだまし討ちみたいなものだ。”
“ごく普通に考えれば、裁判所が勧奨する和解というのは、当事者にとって、裁判所の御墨付きの下で事件が解決した、ということだ。そうやって当事者を安心させるのが裁判所の仕事なのに、後になって、有利なのに敢えて和解に応じた側の方が「悪質」だったと別の裁判官に判定されたのでは、騙し打ちだ。”
抗告理由書の第一の事例は、かなり重大な問題であるように思える。一審で原告の訴えが全て棄却された後、二審で裁判所の勧めで和解に応じたのに、それが解散命令裁判(鈴木謙也裁判長)では、数えられてしまった。担当が違うとは言え、裁判所のだまし討ちみたいなものだ。https://t.co/m4iFkqVNE4
— 仲正昌樹 (@nakamas2) 2025年4月28日
(2) 伊藤健太(甲F 97号証)
事案概要:元法人職員・伊藤健太が提起した訴訟で、請求額3491万6000円に対し、解決金80万円(約2.29%)で和解。地裁は2010年以降の不法行為を推測。
問題点:
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尋問での矛盾:伊藤は尋問で、信者の活動が純粋な信仰心に基づくと認め、自身の主張(資産収奪目的)が崩れた。
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和解の性格:裁判所の勧試に応じた早期解決のための和解。不法行為の認定ではない。
仲正教授のコメント(X投稿: 1916795857858687238):
原告が教団の職員だった二番目の事例では、自ら多くの献金をしたわけではないので、被害の算定根拠を示すことができなかったうえ、証人尋問では、布教活動は、脅されてやったのではなく、相手のことを思って自発的にやったと証言。喜んで活動したのに、後になって騙された!
(3) 高橋優子(甲F 95号証)
事案概要:高齢者・高橋優子が不当利得返還請求を提起し、解決金1200万円で和解。不法行為の主張はなく、地裁の推測は不当。
問題点:
仲正教授のコメント(X投稿: 1916837987008078065):
4. 裁判外の示談事案の問題点
裁判外の示談事案でも、地裁の不法行為推測は不当であると抗告理由書は主張する。
(1) 相沢京子(甲G 430号証・甲H 100号証)
事案概要:相沢京子が示談で解決。地裁は示談を不法行為の根拠としたが、証拠捏造が明らか。
問題点:
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信仰に基づく行為:相沢は統一原理を積極的に学び、140万円の献金を自発的に行った(入会顕書や視福式参加の証拠)。
(2) 類地房子(甲G 553号証)
事案概要:類地房子が示談で解決。地裁の不法行為推測は証拠に基づかない。
問題点:
(3) 須崎章子(甲G 773号証)
事案概要:須崎章子が示談で解決(解決金3000万円)。不法行為の具体的態様がなく、地裁の推測は不当。
問題点:
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脱会の背景:家族(長男・次女)からの暴力や拉致監禁の恐れ、反対牧師の説得で脱会し、虚偽の被害主張に至った可能性。
仲正教授のコメント(同一投稿):
5. 地裁決定の主要な問題点
抗告理由書と仲正教授の投稿を基に、地裁決定の主要な問題点を以下に集約する:
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被害額の水増し:2010年以降の民事判決は2件のみだが、和解・示談を加えて被害額を水増し。「被害の水増しは悪質性を強調するための作為」と指摘。
6. 結論と今後の展望
東京地裁の解散命令決定は、証拠精査の欠如、虚偽主張の無視、和解・示談の誤解釈、被害額の水増しなど、重大な問題を抱える。家庭連合の抗告理由書は、個々の事案を詳細に検証し、地裁の誤りを論証した。仲正昌樹教授のX投稿は、学術的視点からこれらの問題を明確に批判し、司法の公平性を損なう危険性を訴える。
抗告審では、証拠の厳正な検討と事実に基づく判断が求められる。仲正教授のような第三者の発信は、問題の核心を広く知らせる役割を果たしており、今後の審理に注目が集まる。
“実際後悔したら、今からでも遅くない。正直に真相を打ち明けるべき。”
“全国弁連等にのせられて、被害者になるべく話を盛ってしまって後悔しているが、教団に戻りたいわけではないという人もいるかもしれない。そういう人は教団に打ち明けにくいのであれば、保守系メディアに投書すればいい。私が教団やメディアへの情報提供を仲介してもいい。”
全国弁連等にのせられて、被害者になるべく話を盛ってしまって後悔しているが、教団に戻りたいわけではないという人もいるかもしれない。そういう人は教団に打ち明けにくいのであれば、保守系メディアに投書すればいい。私が教団やメディアへの情報提供を仲介してもいい。https://t.co/m4iFkqVfOw
— 仲正昌樹 (@nakamas2) 2025年4月29日