中国資本の株が急騰後に急落 ニラ狩りの新たな手口 - NTDニュース

中国資本の株が急騰後に急落 ニラ狩りの新たな手口 - NTDニュース
中国資本の小規模企業を利用した株価操縦詐欺「ニラ狩り」がアメリカ株式市場で横行。詐欺グループはソーシャルメディアで虚偽情報を拡散し、個人投資家を高値で購入させ、急落後に売り抜ける。被害総額は900万ドル(約14.4億円、1ドル=160円換算)に上り、米司法省は捜査を強化するが、中国国内の関係者追及は困難。
「ニラ狩り」とはどのような詐欺手口か?
A: 詐欺グループはNASDAQ上場の中国小規模企業の株を安値で大量購入。ソーシャルメディアで虚偽の好材料を拡散し、個人投資家を高値で購入させる。株価が急騰後、グループは高値で売り抜け、株価は暴落。投資家は大きな損失を被る。この手口は、投資家を「ニラ」のように刈り取ることから「ニラ狩り」と呼ばれる。
具体的な被害事例は?
A: ユタ州の大学教授ブレーデン・リンドストロム氏は、ソーシャルメディアの自称金融アドバイザーの助言で、中国企業J@グローバルロジスティクスの株を購入。2025年4月1日、株価は1株8ドル(約1280円)から0.35ドル(約56円)へ96%急落し、わずか数日で8万ドル(約1280万円)の損失。現在、株価は0.19ドル(約30円)。リンドストロム氏ら96人の被害者グループは、総額900万ドル(約14.4億円)の損失を報告。
詐欺の背景にある企業の実態は?
A: J@グローバルロジスティクスは中国深圳市に本社を置き、2023年にNASDAQ上場。2024年12月以降、株価は急騰したが、2025年4月に暴落。2020年以降、約60社の中国企業NASDAQで新規上場し、過去2年間で3分の1以上が1日で50%以上の株価下落を経験。香港上場企業17社でも、1日で時価総額が半減した例がある。
詐欺グループの運営方法は?
A: 詐欺グループはWhatsAppなどの投資グループを運営し、被害者を勧誘。リンドストロム氏の参加したグループでは、損失後、別の中国企業への再投資を勧められた。専門家は、中国共産党系の詐欺グループが関与し、アメリカ株式市場を標的にしていると警告。
米当局の対応と課題は?
A: 米司法省はホワイトカラー犯罪として特別捜査チームを設置し、被害回復と犯人追跡に着手。しかし、関係者の多くが中国国内にいるため、証拠収集や責任追及が困難。NASDAQは2025年から1ドル(約160円)以下の株価企業の上場廃止手続きを加速し、高リスク企業の上場基準を厳格化。規制当局と連携し、市場操作取り締まりを強化する方針。
この詐欺が市場に与える影響は?
A: 「ニラ狩り」は個人投資家の信頼を損ない、株式市場の透明性を脅かす。2020年以降の中国企業上場の急増と、頻発する株価暴落は、市場の脆弱性を露呈。専門家は、合法に見せかけた詐欺が常態化しつつあると指摘。投資家はソーシャルメディアの情報に警戒し、企業の実態調査を徹底する必要がある。