【判決日8月26日】6/ 24後藤徹vs鈴木エイト訴訟 控訴審報告会

第一審(東京地裁)判決概要(2025年1月31日)
後藤徹氏が、鈴木エイト氏の「引きこもり」等の発言により名誉を毀損されたとして、1100万円の損害賠償を求めた訴訟。東京地裁(一場康宏裁判長)は、5つの発言のうち2つ(発言②および③)が名誉毀損に該当すると認め、鈴木氏に11万円の賠償を命じた。
対象となった発言と判決
  1. 発言①(2013年3月13日、やや日刊カルト新聞)
    • 内容:「‘‘役者魂”見せつける後藤氏」「ニート化してただの‘引きこもり’となった」
    • 判決:名誉毀損不成立
    • 理由:2015年の後藤氏の監禁裁判(最高裁で違法認定)以前の発言であり、真実相当性があると判断。
  2. 発言②(2015年10月15日、やや日刊カルト新聞)
    • 内容:「12年間に及ぶ引きこもり生活の末、裁判で2000万円をGETした」
    • 判決:名誉毀損成立
    • 理由:2015年の最高裁判決で後藤氏の12年5か月の拉致監禁が「違法」と認定された後であり、「引きこもり」との表現は事実と異なり、真実性・真実相当性がない。社会的評価を下げる発言と認定。
  3. 発言③(2022年8月12日、情報ライブ ミヤネ屋)
    • 内容:「ほぼ引きこもり状態の中、いつでも出ていけるような状態」
    • 判決:名誉毀損成立
    • 理由:発言②と同様、2015年の最高裁判決後の発言であり、真実性・真実相当性がない。社会的評価を下げる。
  4. 発言④(2023年7月、シンポジウム)
    • 内容:福田ますみ氏の質問に対し「どうでもいいです」と回答
    • 判決:名誉毀損不成立
    • 理由:回答拒絶の表現であり、後藤氏の社会的評価を直接下げるものではない。
  5. 発言⑤(2023年8月、X投稿)
    • 内容:「教団側の拉致監禁の被害者アピールはどうでもいい」
    • 判決:名誉毀損不成立
    • 理由:後藤氏個人ではなく、教団(世界平和統一家庭連合)を対象とした発言と判断。
第一審のポイント
  • 後藤氏は、1995年~2008年に親族らによる拉致監禁(12年5か月)を受け、2015年の最高裁判決で違法性が確定し、2200万円の賠償が認められた。この事実を無視し、「引きこもり」と表現した発言②③が問題視された。
  • 鈴木氏は「踏み込んだ批判は名誉毀損ではない」と主張したが、裁判所は発言②③について「事実の摘示」であり、監禁被害を否定する表現が社会的評価を下げると判断。
  • 後藤氏は判決後、「名誉毀損が認められ、非常によかった」とコメント。鈴木氏は「納得いかない」として控訴の意向を示した。

控訴審(東京高裁)状況(2025年6月24日時点)
控訴審の第一回口頭弁論は2025年6月24日(火)に東京高裁(808号法廷)で開催され、同日11時半からTKP新橋カンファレンスセンターで報告会が行われる予定。
後藤氏の控訴(発言①④⑤)
後藤氏は、第一審で名誉毀損が認められなかった発言①④⑤について控訴し、以下の主張を展開:
  1. 発言①(2013年やや日刊カルト新聞)
    • 主張:判決後も鈴木氏が「引きこもり」発言を掲載し続けていることは、名誉毀損の継続に該当する。
  2. 発言④(2023年7月シンポジウム「どうでもいい」)
    • 主張:「どうでもいい」は「引きこもり」発言を撤回しない意思を示しており、名誉毀損に該当。
  3. 発言⑤(2023年8月X投稿)
    • 主張:「教団側の被害者アピール」は後藤氏個人を対象としたものであり、名誉毀損に該当。
鈴木氏の反論
  • 発言①:判決後の掲載継続について、発言の評価は変わらないと主張。
  • 発言④:単なる回答拒絶であり、名誉毀損の意図はない。
  • 発言⑤:福田ますみ氏を念頭に置いた発言であり、後藤氏個人を対象としていない。
鈴木氏の控訴(発言②③)
鈴木氏は、発言②③が名誉毀損とされた点について控訴。具体的な主張や立証は現時点で不明(情報なし)。
控訴審の背景
  • 後藤氏は、12年5か月の拉致監禁被害を「引きこもり」と表現され、被害者としての立場を軽視されたとして、名誉回復と家庭連合反対派の拉致監禁隠蔽を阻止する闘いと位置付け。
  • 鈴木氏の「どうでもいい」発言は、2023年7月のシンポジウムでの質問に対し、2日後のX投稿で「教団側の被害者アピールはどうでもいい」と補足し、炎上した。

質問への回答
提供された情報に基づき、以下の点が明確:
  • なぜ「引きこもり」と言ったのか?
    鈴木氏は、後藤氏の12年5か月の監禁を「自発的な引きこもり」と表現し、2015年の最高裁判決後もこの表現を続けた。後藤氏側は、これが監禁被害の事実を否定し、社会的評価を下げる意図的な誹謗中傷だと主張。鈴木氏は「踏み込んだ批判」と主張するが、裁判所は発言②③について真実性・真実相当性がないと判断。
  • 「どうでもいい」発言の経緯
    2023年7月のシンポジウムで、福田ますみ氏が鈴木氏に「なぜ後藤氏を‘引きこもり’と侮辱するのか」と質問。鈴木氏は「どうでもいい」と回答し、2日後のX投稿で「教団側の拉致監禁の被害者アピールはどうでもいい」と補足。これが炎上し、訴訟対象となったが、第一審では後藤氏個人への発言ではないとして名誉毀損不成立。

追加情報
  • 控訴審の進行控訴審は2025年夏8月26日に終結する見込み。後藤氏側は、発言①④⑤の名誉毀損認定を目指し、鈴木氏側は発言②③の名誉毀損損認定取り消しを求める。
  • 社会的背景:後藤氏は「全国拉致監禁・強制改宗被害者の会」代表として、旧統一教会信者への拉致監禁問題を訴えており、鈴木氏の発言がこの問題の隠蔽を助長すると主張。

結論
第一審では、鈴木氏の発言②③(2015年ブログ、2022年ミヤネ屋)が名誉毀損と認定され、11万円の賠償命令。控訴審では、双方が争点を再主張し、2025年6月24日に第一回口頭弁論が開催。後藤氏は名誉回復と拉致監禁問題の啓発を目指し、鈴木氏は批判の正当性を主張。控訴審の判決が注目される。
ご質問の「どうして‘引きこもり’と言ったのか?」については、鈴木氏の意図は「批判」だとされるが、裁判所は監禁被害の事実を無視した表現が名誉毀損に該当すると判断した。詳細な動機は鈴木氏の反論に依存し、現時点で不明確。控訴審でのさらなる議論が待たれる。