2025年6月28日、名古屋市守山区での講演で、参議院議員・浜田聡(NHK党)が、信教の自由を擁護する立場から日本の諸課題について熱弁を振るった。テーマは「フェンタニル問題」「スパイ防止法」「国際勝共連合の役割」「旧統一教会信者の人権問題」など多岐にわたり、その内容はYouTubeライブ配信を通じて全国に発信された。筆者は、浜田氏の発言を独自に検証し、信教の自由を軸にその真意に迫る。さらに、旧統一教会・田中会長の独占インタビュー(「正論」2025年6月号)を踏まえ、拉致監禁問題の深刻さを考察する。
「日本がフェンタニル密輸の中継地」警鐘
浜田氏は講演冒頭、中国からアメリカに密輸される合成麻薬「フェンタニル」の問題を提起。「日本が中継地として悪用されている」と訴え、日経新聞のスクープやグラス駐日アメリカ大使のXでの発言(「中国共産党の関与」)を引用した。「日本の信頼が悪用されている現状は看過できない」と強調した。
また、2025年2月に報じられた財務省職員の「情報入りPC紛失事件」を挙げ、「スパイ防止法の必要性」を訴えた。「国家の安全保障を守るため、情報管理の強化が急務」とし、国際勝共連合がこの分野で果たしてきた役割を高く評価した。
浜田氏は、自身が関係する「国際勝共連合」を「共産主義の脅威に対抗する重要な団体」と位置づけ、「スパイ防止法の推進に尽力してきた」と称賛。過去に同法が成立直前まで進んだ実績を強調し、「国民にその意義を知ってほしい」と訴えた。
勝共連合は旧統一教会(世界平和統一家庭連合)との関係が指摘されるが、浜田氏は「特定の宗教を攻撃する意図はない」と明言。憲法20条で保障される信教の自由を尊重しつつ、「共産主義のイデオロギーに対抗する活動は、国家の安全と自由を守るために必要」と主張した。
筆者が調査したところ、勝共連合は1968年に設立され、反共産主義を掲げる政治団体として活動。旧統一教会との関係はメディアで報じられているが、浜田氏の「信教の自由を擁護しつつ共産主義に対抗する」という立場は一貫している。この姿勢は、特定の宗教団体への偏見を避けつつ、政策議論を進める意図を示している。
浜田氏の講演で特に注目されたのは、旧統一教会信者に対する「拉致監禁」問題だ。浜田氏は「約4300人が拉致監禁の被害に遭った」と主張し、「これは憲法で保障された信教の自由への重大な侵害」と断じた。さらに、拉致監禁に関与したとされる宮村孝志氏が立憲民主党の勉強会に招かれたことを挙げ、「立憲民主党との関連を国民に問いたい」と訴えた。
筆者が入手した旧統一教会・田中会長の独占インタビュー(「正論」2025年6月号)によると、旧統一教会への解散命令請求の背景には、拉致監禁と強制棄教の被害が深く関わっている。政府提出の157人分の陳述書の88%が拉致監禁被害者で、32件の民事訴訟にも同様の被害者が含まれている。田中会長は「この人権問題について、国民的議論が必要」と訴えており、浜田氏の主張に一定の裏付けを与えている。
「ジャニーズ問題とガーシー」「兵庫県知事選の背景」
浜田氏は、元参議院議員・ガーシー(東谷義和氏)がジャニーズ問題の暴露に貢献したと評価。「BBCが取り上げるまで、メディアは問題を黙殺してきた」と指摘し、メディアの報道姿勢に疑問を呈した。また、兵庫県知事選での斎藤元彦知事の「クーデター計画」暴露や、泉房穂氏の「パワハラ音声」問題にも触れ、「立花孝志(NHK党党首)の選挙戦略が注目を集めた」と述べた。次期選挙では「泉氏のモノマネ」を活用し、インパクト重視の戦略を展開する方針を示した。
「メディアの限界とSNSの可能性」
講演の最後で、浜田氏は「メディアが取り上げない問題」を強調し、SNSの重要性を訴えた。「テレビや新聞は一方的な情報提供に偏りがちだが、SNSなら国民が真実を共有できる」と主張。信教の自由や人権問題について、「若い世代が声を上げ、世論を形成してほしい」と呼びかけた。
筆者より:拉致監禁問題と信教の自由