トランプ大統領「世界を人質にする」陰謀 - 中国共産党に関税100％へ⇔世界90%シェア輸出規制の中共への報復制裁

2025年10月11日
ドナルド・J・トランプ米大統領は10日、中国のレアアース（希土類）輸出規制強化を「世界を人質にする陰謀」と非難し、2025年11月1日より中国製品に現行関税（平均30%超）に100%の追加関税を課すと宣言。重要ソフトウェアの輸出規制も発表。
 
中国の規制は、世界の希土類精製シェア90%（世界全体への中国依存度）を背景に、EV、半導体、国防産業を直撃する「経済的攻撃」と位置付けられ、米中貿易戦争が再燃。本稿では、双方の制裁策が世界、米国、日本、中国に与える金額的影響を分析する。1. 中国の90%シェア輸出規制：世界経済への影響中国依存度（世界）: 希土類精製シェア90%（2023年USGSデータ、2025年継続）。中国商務省の2025年10月9日発表（通達第61号）は、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、ユウロピウム、イッテルビウムの5元素を規制対象に追加（計12元素）。EVモーター、半導体、軍事機器の供給網が混乱。価格上昇（20-50%、2010年禁輸前例）による損失は以下：
  • 総経済損失: グローバルGDP0.5-1.0%押し下げ、5,000億-10,000億ドル（750,000億円-1,500,000億円、750兆円-1,500兆円）。EV・半導体セクターで年間1,050億ドル（105 billion USD × 150 = 15,750億円、15.75兆円）の追加コスト（CSIS推定）。
  • 具体的な金額影響:
    • EV産業（世界依存度80%）: 世界生産1,400万台（2025年予測）の5%（70万台）生産減。1台あたり500ドル（7.5万円）コスト増、総350億ドル（350 × 150 = 52,500億円、5.25兆円）。
    • 半導体・AI（世界依存度90%）: チップ価格10%上昇、年間500億ドル（500 × 150 = 75,000億円、7.5兆円）損失（TrendForce）。
    • 再生可能エネルギー（世界依存度85%）: 風力タービン部品不足で200億ドル（200 × 150 = 30,000億円、3兆円）市場縮小。
  • 影響の構造: 世界の希土類需要（35万トン/年）が10-15%停止。ASEANなど新興国の輸入依存産業が特に打撃。
セクター
世界依存度
2025年推定損失
主な要因
EV・自動車
80%
350億ドル（52,500億円、5.25兆円）
モーター生産停止
半導体
90%
500億ドル（75,000億円、7.5兆円）
チップ供給遅延
再生可能エネルギー
85%
200億ドル（30,000億円、3兆円）
部品不足
合計
-
1,050億ドル（157,500億円、15.75兆円）
-
2. 米国への損失中国依存度（米国）: 希土類輸入の70%（2023年）。規制により国防・テック産業が直撃、輸入額（2.28億ドル/年、2.28 × 150 = 342億円）が最大20%中断。CSIS推定でGDP損失34億ドル（34 × 150 = 5,100億円、0.51兆円）。
  • 総経済損失: GDP成長率0.5-0.9%押し下げ、1,300-2,300億ドル（1,300 × 150 = 195,000億円～2,300 × 150 = 345,000億円、195兆円-345兆円）。家計あたり購買力損失2,100ドル（2,100 × 150 = 315,000円）。
  • 具体的な金額影響:
    • 国防（米国依存度95%）: F-35戦闘機（100機/年）の希土類コスト2倍（10万ドル/機、1,500万円）、総10億ドル（10 × 150 = 1,500億円、0.15兆円）。
    • EV（米国依存度75%）: テスラなど生産50万台中断、1台あたり1,000ドル（15万円）増、総50億ドル（50 × 150 = 7,500億円、0.75兆円）。
    • 半導体（米国依存度85%）: チップ生産コスト15%上昇、200億ドル（200 × 150 = 30,000億円、3兆円）損失。
  • 市場影響: 米輸入総額（中国から2,000億ドル/年、300,000億円、300兆円）の10%停止で200億ドル（200 × 150 = 30,000億円、3兆円）直接損失。テック株3%下落（10月9日）。
セクター
米国依存度
2025年推定損失
主な要因
国防
95%
10億ドル（1,500億円、0.15兆円）
軍事機器遅延
EV・自動車
75%
50億ドル（7,500億円、0.75兆円）
モーター部品不足
半導体・AI
85%
200億ドル（30,000億円、3兆円）
設計ツール遅延
合計
-
260億ドル（39,000億円、3.9兆円）
-
3. 日本への損失中国依存度（日本）: 希土類精製の60%（2023年）。備蓄（3-6ヶ月）で短期緩和可能だが、自動車・電子産業に打撃。METI推定でGDP0.3%押し下げ、約150億ドル（150 × 150 = 22,500億円、2.25兆円）。
  • 総経済損失: 輸入額（50億ドル/年、7,500億円）の20%中断で10億ドル（10 × 150 = 1,500億円、0.15兆円）。間接損失50億ドル（50 × 150 = 7,500億円、0.75兆円）。
  • 具体的な金額影響:
    • 自動車（日本依存度70%）: EV生産10万台中断、1台あたり800ドル（12万円）増、総8億ドル（8 × 150 = 1,200億円、0.12兆円）。
    • 電子・ロボット（日本依存度65%）: 半導体部品不足で輸出5%減（70億ドル、10,500億円）、損失3.5億ドル（3.5 × 150 = 525億円、0.0525兆円）。
    • ロボット・精密機器（日本依存度80%）: 磁石供給中断で2億ドル（2 × 150 = 300億円、0.03兆円）。
  • 追加リスク: 円安（1ドル=150円）で輸入コスト10%増。オーストラリアLynas投資（180億円）も短期解決困難。
セクター
日本依存度
2025年推定損失
主な要因
自動車
70%
8億ドル（1,200億円、0.12兆円）
EVモーター遅延
電子機器
65%
3.5億ドル（525億円、0.0525兆円）
ディスプレイ部品不足
ロボット・精密機器
80%
2億ドル（300億円、0.03兆円）
磁石供給中断
合計
-
13.5億ドル（2,025億円）
-
4. トランプの100%関税：中国への経済的圧力中国依存度（米国への輸出）: 中国の対米輸出（2025年予測4,000億ドル、600,000億円、600兆円）は米国市場に大きく依存。トランプ氏の関税（現行57.6%に100%上乗せ、総157.6%）は輸出を直撃。J.P. Morgan推定で中国GDP成長率0.2-0.3%押し下げ、1,000-1,500億ドル（150,000-225,000億円、150-225兆円）。米国は関税収入2,370億ドル（2,370 × 150 = 355,500億円、35.55兆円）獲得。
  • 総経済損失（中国）: 対米輸出33%減、1,300億ドル（1,300 × 150 = 195,000億円、19.5兆円）。雇用200万件影響、財政赤字1兆人民元（1,400億ドル、1,400 × 150 = 210,000億円、21兆円）拡大。
  • 具体的な金額影響:
    • 輸出収益減: 価格弾力性で需要20-30%減、800-1,200億ドル（800 × 150 = 120,000億円～1,200 × 150 = 180,000億円、12-18兆円）。EV・電子部品輸出（1,000億ドル、150,000億円、15兆円）半減。
    • GDP影響: 成長率4.4%へ低下（0.6%減）、1,200億ドル（1,200 × 150 = 180,000億円、18兆円）損失。
    • 報復連鎖: 対米輸入（石油など）90%減で代替コスト500億ドル（500 × 150 = 75,000億円、7.5兆円）。
  • 戦略的圧力: 貿易黒字（3,000億ドル、450,000億円、45兆円）半減で北京の交渉余地縮小。ASEAN迂回貿易は長期策だが、2025年は即時打撃。
影響項目
2025年推定損失（中国）
圧力のメカニズム
輸出収益減
1,300億ドル（195,000億円、19.5兆円）
価格上昇・需要減
GDP成長押し下げ
1,200億ドル（180,000億円、18兆円）
貿易依存産業停滞
雇用・サプライチェーン
500億ドル（75,000億円、7.5兆円）
代替コスト増
合計
3,000億ドル（450,000億円、45兆円）
-
5. 双方の制裁策の帰結中国の輸出規制（世界依存度90%）は世界経済に10,000億ドル（1,500,000億円、1,500兆円）級の打撃、米国（依存度70%、260億ドル、39,000億円、3.9兆円）、日本（依存度60%、13.5億ドル、2,025億円、0.2025兆円）に生産停滞を強いる。トランプ氏の100%関税は中国に3,000億ドル（450,000億円、45兆円）の損失を押し付け、貿易黒字を半減させる「金融的反撃」。グローバル景気後退リスク（40%）が高まり、APEC会談（10月末予定）での米中対話が期待される。