【特検への批判】チョン・ヒチョル面長の悲劇 - キム・ソニョ議員「殺人特検、捏造特検だ。面長の名誉回復のために最後まで戦う」

1. 事件の概要
TV朝鮮とデイリアンの報道によると、陽平郡庁所属のチョン・ヒチョル檀月面長（50代、事務官A氏）が2025年10月10日、陽平郡陽平邑のアパートのトイレで死亡しているのが発見された。警察は現場の状況や遺族の証言から、チョン面長が自ら命を絶ったと推定している。彼は10月2日、キム・ゴンヒ夫人関連の公興地区開発特恵疑惑を調査するミン・ジュンギ特別検察チームに被疑者として召喚され、調査を受けていた。

 

チョン面長の遺書には、特検の強圧的な捜査に対する深刻な心境が記されていた。「怪しい」「事実を話しても追及され、知らないと言ってもダメだった」「キム・ソニョ（当時陽平郡守）議員は悪くないのに、繰り返し誘導された」「高圧的な調査に疲れ果て、記憶にない陳述をした」との内容が含まれ、特検の捜査手法に対する強い不満と圧迫感を訴えている。1992年から公務員として33年間、陽平で長年勤務したチョン面長は、地元住民から「親しみやすく尊敬される人物」として記憶されている。

 

2. 国民の力の反応と特検批判
野党・国民の力は、チョン・ヒチョル面長の死亡を「特検の強圧捜査が引き起こした悲劇」と強く非難。10月13日、チェ・ウンソク院内首席報道官らが「ミン・ジュンギ特検の強圧捜査による陽平郡公務員死亡事件真相究明特検法」を国会に提出し、当論として推進している。チェ報道官は「特検はチョン面長に屈辱と侮辱を与え、強圧的な捜査を行った」と述べ、迅速な法案通過を約束した。

 

国民の力指導部は黒いスーツとネクタイで国会議事堂内の分香所を訪れ、集団で弔問。チャン・ドンヒョク代表は「殺人特検の真相を必ず明らかにする」、ソン・オンソク院内代表は「強圧的捜査で亡魂となったチョン・ヒチョル面長のご冥福を祈る」と芳名録に記した。特に、陽平を地盤とするキム・ソニョ議員は「殺人特検、捏造特検だ。面長の名誉回復のために最後まで戦う」と強い決意を示した。

 

3. 光化門および国会分香所設置をめぐる論争
チョン・ヒチョル面長の死を受け、国民の力は追悼の意を表するためソウル光化門広場に分香所を設置しようとしたが、大きな論争を呼んだ。10月13日、国民の力は光化門広場での分香所設置を計画したが、ソウル市や関連当局から許可が下りず、設置作業が阻止された。報道によると、当局は公共の場である光化門広場での政治的集会に制限を課し、資材や椅子も撤去された。国民の力はこれを「与党の政治的圧力」と批判し、「故人の追悼すら妨害する現政権の姿勢は許されない」と主張した。一方、与党・民主党は、光化門での分香所設置が政治的パフォーマンスに過ぎないと反発し、国民の力が事件を政争の道具として利用していると非難した。

 

同様に、国民の力は10月12日午後6時30分頃、国会正門ヘテ像前に分香所を設置しようとしたが、国会防護課に約5分で制止され、設置作業は中断。資材や野外用椅子も撤去され、設置は基礎工事の段階で止まった。国民の力はこれを「与党の政治的圧力」と強く批判し、民主党は「野党が国会の公共空間を政治的意図で利用している」と反論。光化門と国会の両方で分香所設置が阻止されたことは、与野党間の緊張をさらに高める要因となった。

 

4. 特検と警察の対応
警察は、遺族に遺書の原本ではなく撮影本を提供したことを認め、「不十分だった」と謝罪。剖検については「遺族の同意を得た」と説明したが、予定より2日遅れて英結式が行われたことに対して批判が続いている。ミン・ジュンギ特検チームは、キム・ヒョンギュン特別検事補を通じて「亡魂となった陽平郡公務員に改めて弔意を表し、遺族に深い慰労の意を伝える」と述べ、捜査方式の全面再検討と関係者の人権保護を約束。特検は現在、チョン面長の遺書の筆跡鑑定を依頼し、剖検結果を待って正確な死亡経緯を調査中だ。

 

5. 政治的論争と今後の焦点
チョン・ヒチョル面長の死亡事件は、特検の捜査手法と政治的偏向をめぐる議論を激化させている。国民の力は「特検を特検する」として真相究明を強く求め、遺書の公開や捜査の透明性確保を主張。特に、光化門と国会での分香所設置の阻止は、与野党の深い分断を浮き彫りにし、国民の力はこれを「故人の名誉と追悼の自由を奪う行為」と強く非難している。一方、民主党は野党の対応を「政治的悪用」と批判し、特検の正当性を擁護。チョン面長の名誉回復、特検捜査の公正性、そして光化門や国会での追悼行為の是非が、今後の政治的議論の中心となるだろう。