10/23速報【高市総理と面会】北朝鮮拉致は人権問題、日朝首脳会談を - 被害者家族の苦しみ、命の尊厳について報道を

高市総理と面会】北朝鮮拉致は人権問題、日朝首脳会談を - 被害者家族の苦しみ、命の尊厳について報道を

2025年10月23日高市早苗新総理就任からわずか3日目。北朝鮮による日本人拉致被害者家族ら10家族15名が23日午後、総理官邸で高市氏と面会した。面会直後、家族会代表の横田拓也氏や横田早紀江さん、帰国者・曽我ひとみさんら家族代表、支援組織「救う会」の西岡力副会長が記者会見を開き、拉致問題を「人権の核心」として日朝首脳会談の実現を強く訴えた。家族の高齢化が進む中、被害者の命の尊厳を巡る切実な声が相次いだ。総理就任早々の面会に感謝、しかし「時間がない」会見の冒頭、横田拓也代表(家族会)は「総理の言葉に心と強さを感じた」と述べ、面会の意義を強調した。家族会側は、拉致被害者の平均年齢が76歳に達し、母の89歳という高齢を挙げ、「今日元気でも明日元気でないかもしれない。横田めぐみさんと母の再会を実現させてほしい」と訴えた。横田氏は、石破茂前政権下での停滞を指摘し、「北朝鮮の決裁権は金正恩委員長1人にあり、向き合えるのは日本の総理だけ。日朝首脳会談で人権問題として解決を」と繰り返した。女性初の総理として、横田早紀江さんは母性視点からの取り組みに期待を寄せた。「女性は赤ちゃんを産み育てた経験から、被害者の苦しみを違う角度で理解できるはず。平和な日本で起きた突然の拉致は、煙のように消えた家族の姿。50年近く様子も分からない人生を、被害者が泣きながら送っている」と語り、家族の想像を超える苦痛を吐露した。早紀江さんは、報道陣に「この問題を通じて、命の大切さを伝えてほしい。お子さんや孫の世代が同じ目に遭わない日本に」と呼びかけた。「母の写真」を手に、94歳の北朝鮮での生活を心配帰国者の曽我ひとみさんは、拉致4ヶ月前に撮った白黒写真を手に会見に臨んだ。写真には、妹の入学式で笑顔の母が写っている。「こんな明るい母が、突然連れ去られた。94歳の今、北朝鮮で寒い冬をどう過ごしているか。自分でできるのか、心配でなりません」と声を震わせた。ひとみさんは署名活動などで国民に訴え続け、「諦めないで元気でいてほしい。親孝行をさせてください」と懇願。総理にもこの写真を見せ、別離の痛みを直接伝えた。伊藤健一さん(家族会)は、拉致・ミサイル・核の「3本柱」解決を求め、「拉致は人権問題。ミサイルと切り離して進めてほしい」と主張。2024年初頭のハイレベル協議の継続と日朝首脳会談の実現を要請した。「総理の熱意は総裁選公約以上。解決への乗り気を感じた」と評価した。新加入家族の声、有本さん姉妹が父の遺志を継ぐ今回、新たに家族会に加わった有本嘉代子さん(未帰国)の姉と妹が参加。父・秋さんが2月に亡くなった直後、トランプ前米大統領から「あなたは必ず勝つ」との直筆手紙を受け取っていたことを明かし、総理に見せた。「父は『子供たちにこの問題を背負わせたくない』と言っていたのに、私たちは戦いを続けます。トランプさんからも高市総理にしっかり伝えてほしい」と訴えた。横田代表は「政権交代直後の参加は意味深い。日米首脳会談でこの手紙を活かせば、家族の絆を伝えられる」と語った。寺越事件の遺族・寺越さんや内田さん(石川県)は、63年目の未解決を嘆き、「母の遺骨返還と拉致認定を。生きているうちに」と要請。定期的な総理面会も求めた。浜本さん(帰国者)は「47年経過の長期戦。政治全体で場を固めて」と意気込みを評価した。トランプ来日で「米朝協力」も視野、報道の役割を強調記者質問では、28日のトランプ前大統領来日調整が話題に。横田代表は「面会実現すれば、米朝首脳会談で拉致解決の重要性を伝える。日本主導の人権解決を米に理解してほしい」と希望を述べた。早紀江さんは「トランプさんはよく分かっている。アメリカの力で、人間の尊厳をはっきり主張して」と強調。家族会は連絡事務所設置方針についても触れず、「廃止されたと認識」との見解を示した。救う会の西岡副会長は「総理は1人1人の話を自分の言葉で聞き、市民目線で向き合った。強い体制だ」と総理・木原稔官房長官(拉致担当)らの布陣を評価。松木利男さん弟の発言(「兄は病院で『自分も帰国したかった』と語った」)を引き、担当大臣への期待を述べた。「負けない戦い」、国民・メディアへの訴え家族らは新政権に「全幅の信頼」を寄せつつ、過去の停滞への苛立ちを隠さなかった。横田代表は「私たちは被害者家族として最前線で戦う。マスコミの皆さんも、全員取り戻すまで一緒に」と呼びかけた。早紀江さんは「若者たちに講演し、誰も信じられない残酷さを伝えている。国際協力で解決を」と、子世代の活動を称賛した。拉致問題は、単なる外交課題ではなく、命の尊厳を問う人権問題だ。高市政権が日朝首脳会談で突破口を開くか、被害者家族の声は日本社会全体に響く。報道の役割は大きい。忘れ去られた「煙のような」拉致の記憶を、命の叫びとして伝え続けることが求められる。