【速報10/26】トランプ大統領、ASEAN首脳会議で「インド太平洋の安定と繁栄」を強調 マレーシアで貿易・平和協定を推進

トランプ大統領ASEAN首脳会議でインド太平洋の安定と繁栄を強調 マレーシアで貿易・平和協定を推進

クアラルンプール 2025年10月26日ドナルド・トランプ米大統領は26日、マレーシアのクアラルンプールで開催された第47回ASEAN首脳会議の作業会合に出席し、インド太平洋地域の「安定、繁栄、平和」の推進を強く訴えた。米国とマレーシア間の主要貿易協定の署名や、カンボジアとタイ間の「クアラルンプール平和合意」の調印式を主宰し、ASEAN諸国との経済・安全保障協力を強化する姿勢を明確にした。インド太平洋の安定と繁栄に向けた米国のコミットメントトランプ氏は演説で、「私は友情と善意の使命でここにいる。米国はインド太平洋地域の自由で開かれた繁栄を100%支持し、ASEAN諸国と長期的なパートナーシップを築く」と宣言。「アメリカの黄金時代」を背景に、ASEANを「世界で最も重要な同盟国・パートナー」と位置づけ、商業と安全保障の強化を通じて地域の安定を支えると強調した。特に、米国が「20兆ドルを超える投資」を呼び込んだ経済的成功を挙げ、「ASEAN諸国と共に太平洋両岸で前例のない繁栄を築く」と意気込みを見せた。マレーシアのアンワル・イブラヒム首相との会談では、エネルギー技術、人工知能、重要鉱物などの分野で「より豊かなパートナーシップ」を構築する方針を確認。トランプ氏は「ASEANのエネルギーと才能は金に変わる」と称賛し、地域の経済的可能性を高く評価した。貿易協定と平和合意:具体的な成果トランプ氏はマレーシアとの「相互貿易協定」に署名し、米国輸出品の関税をほぼ全廃、農業・工業製品の市場アクセスを拡大した。マレーシアは今後10年間で700億ドルの米国投資を約束し、重要鉱物の供給チェーン多様化も合意。カンボジア、日本、韓国とも貿易交渉を進めており、「関税障壁の撤廃で地域全体の繁栄を加速する」と述べた。また、カンボジアとタイの国境紛争を終結させる「クアラルンプール平和合意」の調印式を主宰。トランプ氏は「8ヶ月で8つの紛争を終結させ、数百万の命を救った」と自負し、ASEAN諸国の支援に謝意を表明。特にインドネシアのプラボウォ・スビアント大統領やブルネイ、マレーシアの指導者を名指しで称賛し、平和維持への貢献を評価した。この合意は、即時停戦や地雷除去、捕虜解放を盛り込み、地域の安定に寄与する一歩と見られている。中東和平も強調:グローバルな安定への貢献トランプ氏はガザ戦争の終結を「中東に3000年ぶりの永遠の平和」と誇張気味に語り、59カ国の関与を得た20項目の平和計画を成果として紹介。インド太平洋の文脈では、「ASEANの協力が中東和平にも繋がった」と述べ、地域間の連携がグローバルな安定に不可欠だと訴えた。ASEANとの絆と今後の展望トランプ氏は、米国とASEANの関係が「共和国初期から続く歴史的な絆」だと振り返り、クアラルンプールでの歓迎に感激した様子で「イブラヒム首相には全てを見せられた」と笑いを誘った。次はAPECでの韓国訪問を控え、中国の習近平国家主席との会談にも意欲を示す。南シナ海問題や米中貿易摩擦が議題となる中、トランプ氏は「取引の達人」として多国間協力を活用しつつ、「アメリカ・ファースト」を貫く姿勢を見せた。専門家は「トランプ氏のインド太平洋戦略は、経済的利益と安全保障を結びつけ、ASEANとの実務的協力を重視している」と分析。マレーシア訪問は、地域の安定と繁栄に向けた米国の関与を印象づける成功を収めた。トランプ氏は「ASEANの指導者は特別だ。この地域は特別な場所だ」と締めくくり、今後の協力深化に期待を寄せた。