“ロシア・ウクライナ戦争を起こしたのは米バイデン、イスタンブール合意を潰したのもバイデンとイギリス”ジョン・ミアシャイマー教授 台湾侵攻の行方は?

“ロシア・ウクライナ戦争を起こしたのは米バイデン、イスタンブール合意を潰したのもバイデンとイギリス”ジョン・ミアシャイマー教授 台湾侵攻の行方は?国際政治学の権威、シカゴ大学名誉教授ジョン・J・ミアシャイマー教授が、2025年12月13日に東京で開催された「THE CORE FORUM 2025冬」で、及川幸久氏と参政党代表・神谷宗幣氏とのディスカッションに登壇した。このイベントでミアシャイマー教授は、ロシア・ウクライナ戦争の責任と台湾有事の可能性について、率直な見解を述べた。ウクライナ戦争の責任はバイデン政権にありミアシャイマー教授は、ウクライナ戦争の開始について「バイデン大統領が戦争を始めた」と断言した。2022年2月24日のロシア侵攻直後、ロシアは外交的な解決を試み、プーチン大統領ウクライナNATO不加盟を条件に和平交渉を提案したという。特に注目されるのは、2022年3月から4月にかけて行われたイスタンブール交渉だ。この交渉では、ロシアとウクライナの双方が合意にかなり近づいていた。しかし、そこにアメリカとイギリスが介入し、ゼレンスキー大統領に対して交渉からの離脱を促したと教授は指摘する。教授によると、当時の西側はロシアを「弱い」と見なし、戦場での勝利と経済制裁で簡単に屈服させられると信じていた。2022年末のウクライナの反攻成功も、その過信を後押しした。しかし、戦争が3年経過した今、ロシアの強靭さが明らかになり、早期の外交解決の機会を逸した責任はバイデン政権とイギリスにあると強調した。一方で、トランプ前大統領については「戦争終結に興味を持っていた」と評価。トランプ氏の努力を称賛しつつ、実現が難しいとも予想した。台湾有事は「難易度が高い」——ウクライナとは根本的に違う神谷宗幣氏が「ウクライナ戦争を望んだ勢力が台湾でも戦争を仕掛けようとしているのではないか」と懸念を述べたのに対し、ミアシャイマー教授は「それは考えにくい」と回答した。理由は明確だ。ウクライナの場合、西側はロシアを弱体と見て「素早く簡単に勝てる」と判断した。しかし、台湾侵攻は全く異なる状況にある。
  • 軍事的な難易度: 台湾海峡を渡る上陸作戦は極めて困難で、長期化・血みどろの戦争になる可能性が高い。
  • 核の脅威: 中国は核保有国であり、通常戦力だけでも壊滅的な被害が生じる。核エスカレーションのリスクが抑止力として働く。
教授は「簡単に勝てると思っている人はいない。それが根本的な違いだ」と述べ、台湾有事の発生確率はウクライナに比べて低いと楽観的な見方を示した。神谷氏はこれを聞き、「少し安心して寝られる」と安堵の表情を見せた。まとめ:現実主義者の警鐘とクリスマス合意への期待ミアシャイマー教授の分析は、現実主義に基づくものだ。ウクライナ戦争は西側の過信と外交の失敗が招いたとし、台湾ではそのような誤算が生じにくいと指摘する。この発言は、日本を含むアジア諸国にとって、台湾海峡の緊張を考える上で重要な示唆を与えるものだ。一方で、教授がトランプ氏の戦争終結努力を評価したように、現在(2025年12月19日時点)、トランプ政権下でウクライナ和平交渉が進展しており、ベルリンでの協議などで**“significant progress”(大きな進展)が報告されている。ドイツ側がクリスマス期間の休戦を提案し、トランプ大統領“closer than ever”(これまでで最も近い)**と述べるなど、クリスマス合意(12月25日頃の和平実現や休戦)が期待されている。ただし、領土問題や安全保障保証で難航しており、ロシア側は一時的な休戦ではなく包括的な和平を求め、クリスマス休戦の提案を事実上拒否する姿勢を示している。ロシア側の反応が鍵となる。イベント参加者は、教授の率直な発言に満足し、2026年以降の世界情勢に対する深い洞察を得た様子だった。ミアシャイマー教授の予測が的中するかは未知数だが、大国間のパワーバランスを冷静に見つめる重要性を改めて教えてくれる。
ウクライナ戦争関連の主な時系列まとめ
日付
出来事
2008年4月
NATOブカレストサミットで、ウクライナジョージアの将来的加盟を宣言(ミアシャイマー教授はこれを危機の起点と指摘)
2014年2月
マイダン革命(欧米支援の親欧米政権樹立)
2021年6月
NATOが2008年の決定を再確認
2021年9月
バイデン大統領、ゼレンスキー大統領と会談しNATO志向を支持
2021年12月17日
プーチン大統領NATO拡大停止などを求める提案を米・NATOに送付
2022年2月24日
ロシアのウクライナ侵攻開始
2022年3月~4月
イスタンブール交渉(合意に近づくが、西側(米・英)の介入で崩壊。ボリス・ジョンソン英首相のキエフ訪問が影響したとの指摘あり)
2022年4月
ブチャ事件発覚、交渉さらに困難に
2022年9月
ロシア、4州(ドネツク、ルガンスク、ヘルソン、ザポリージャ)の併合宣言
2025年12月13日
ミアシャイマー教授、東京でのフォーラムで戦争責任と台湾有事を議論
2025年12月15-16日
ベルリンでの米・ウクライナ・欧州首脳協議で“significant progress”(大きな進展)報告、ドイツがクリスマス休戦提案、トランプ大統領“closer than ever”(これまでで最も近い)と発言
現在(2025年12月19日)
クリスマス合意への期待残るも、領土・保証・ロシアの包括的和平要求で難航。戦争3年経過、ロシア優位が続き、外交解決の機会を逸した西側の過信が指摘される