家庭連合解散命令について杉原誠四郎氏が指摘する政府対応4つの問題点とは?「信教の自由の侵害」「法治国家の原則違反」
世界宗教新聞 2025年12月31日
世界日報によると、元武蔵野女子大学教授の杉原誠四郎氏は、2025年12月30日掲載のインタビューで、世界平和統一家庭連合(家庭連合、旧統一教会)を対象とした政府の対応、特に文部科学省の「指定宗教法人の清算に係る指針」と「特定不法行為等被害者特例法」(特例法)を強く批判した。杉原氏は、これらの措置が信教の自由を侵害し、法治主義の原則に反すると指摘している。
東京地裁は2025年3月25日、約40年にわたり約1550人の被害者に対し総額約204億円の損害を生じさせたとして、家庭連合に対し解散命令を下した(民法上の不法行為に基づく初の事例)。教団側は即時抗告し、東京高裁での非公開審理は2025年11月21日に終結。現在、判断待ちの状況である(2025年12月31日時点)。高裁が地裁決定を支持すれば清算手続きが開始されるが、最高裁まで争われる見込みだ。
以下に、杉原氏が挙げる政府の対応の主な4つの問題点を、数値データを交えてまとめる。これにより、措置の偏向性がより明確になる。
- 清算指針の不公平性 文科省の指針では、清算時に債権申出期間経過後であっても被害者を「一人の被害者も取り残さない」よう無制限に救済するよう定めている。しかし、これは家庭連合に限り適用されるもので、他の宗教法人の被害者との間で公正・公平を欠くと批判。 実際、東京地裁決定で認定された被害は約1550人・総額約204億円と膨大だが、過去の解散命令事例(オウム真理教:殺人事件、明覚寺:詐欺事件)では被害規模がこれほど長期・大規模ではなく、家庭連合特有の過度な救済措置が不均衡を生むと指摘される。
- 高額献金者の潜在被害者扱いと信教の自由侵害 指針には、高額献金者を「潜在的な被害者」と決めつけ、教団の献金記録に基づいて清算人が照会する記述がある。杉原氏は、信仰に基づく寄付は返還請求できないのが原則であり、清算人が勝手に「不相応」と判断するのは信教の自由の本質を無視した暴挙だと指摘する。 教団の年間収入は2022年度までの8年間平均約409億円(ほぼ全額献金由来)とされ、総資産約1181億円。こうした規模の献金を一律に「被害」とみなすのは、信仰の自由を過度に制限する可能性がある。
- 特例法の特定対象性と法治主義違反 2023年12月成立の特例法は、家庭連合の財産移動を監視する目的はあるが、付則で施行後3年で失効(2026年末頃)するため事実上家庭連合のみを対象とした特別法となる。杉原氏は、特定の対象に不利益を与える特別法は法治主義の原則に反し、廃止すべきだと主張。 特例法は家庭連合の被害規模(約204億円)を背景に制定されたが、他の宗教法人に対する同様の時限立法は前例がなく、特定の宗教団体への偏った不利益適用が問題視される。
- 議員立法の不適切さ、特に公明党の関与 特例法は自民・公明・国民民主の議員立法で、公明党の提出者参加を特に問題視。公明党の母体である創価学会も過去に献金関連の訴訟や批判はあるが、大規模な解散命令・被害認定(204億円規模)はなく、他宗教を標的にする法律を提案するのは道義的に悪質だと批判する。 創価学会関連の献金被害訴訟は散発的で、総額が家庭連合の被害規模に匹敵するものは確認されていない。この差を無視した立法が、公平性を欠くとされる。
杉原氏は全体として、これらの措置を「信教の自由の侵害」「法治国家の原則違反」と位置づけ、特例法の廃止と指針の見直しを求めている。
一方、被害者側や日本弁護士連合会などは、40年以上にわたる膨大な被害(約1550人・204億円超)を理由にこれらの措置を必要と評価しており、意見は分かれている。