【中山達樹弁護士が解説】「拉致監禁被害者を『引きこもり』呼ばわり! 鈴木エイト氏、名誉毀損裁判で敗北の危機」

「12年5カ月、31歳から44歳まで監禁された男が、最高裁で2200万円の賠償を勝ち取った――。その男、後藤徹氏を、ジャーナリストの鈴木エイト氏が『引きこもり』と繰り返し発言。名誉毀損で訴えられた裁判が、緊迫の局面を迎えている!」 弁護士・中山達樹氏が、家庭連合(旧統一教会)を代理して法廷で闘うこの訴訟。舞台は東京地裁、そして今、8月26日の高等裁判所判決が目前だ。後藤氏の壮絶な過去と、鈴木氏の「どうでもいい」発言が引き起こした大炎上。その裏に潜む、拉致監禁の闇と国政政党との意外な接点とは?12年監禁の被害者を「引きこもり」と侮辱後藤徹氏の人生は、31歳から44歳までの12年間、拉致監禁によって奪われた。親や「脱会屋」と呼ばれる人物らによる違法な監禁行為は、2015年の最高裁判決で認定され、2200万円の賠償が認められた。この勝利は、家庭連合信者に対する拉致監禁問題に終止符を打つ歴史的な一歩だった。ところが、ジャーナリストの鈴木エイト氏は、2013年から自身のブログ「やや日刊カルト新聞」で、後藤氏を「引きこもり」と3度にわたり公言。さらに2023年のシンポジウムでは、被害者団体の福田まさみ氏から「なぜそんなひどいことを言うのか」と問われ、「どうでもいい」と言い放ち、X上で大炎上。2日後には「教団が拉致監禁でアピールするのはどうでもいい」と発言したが、これも後藤氏への侮辱と受け止められた。「鈴木氏は、裁判で『引きこもりは中立的な表現で、名誉毀損には当たらない』と主張したが、裁判所はそれを一蹴。『引きこもり』発言は後藤氏の社会的評価を下げる違法な行為だと認め、今年1月の地裁判決で後藤氏が完全勝利した」と中山弁護士は語る。「脱会屋」の影と国政政党の関与この裁判の背景には、さらなる闇が浮かび上がる。中山弁護士が名指しするのは、「脱会屋」として知られる宮村孝志氏だ。「宮村氏は、拉致監禁に関与しながら罪を逃れるよう巧みに立ち回り、家族に脱会を指導してきた。その関与は裁判でも認められている」と中山氏は指摘。さらに衝撃的なのは、「宮村氏が国政政党のアドバイザーとして密接に関与していた」と家庭連合が主張している点だ。拉致監禁を指南した人物が、国政政党と関わっていた。これは重く受け止めるべき問題だ」と中山氏は力を込める。宮村氏の具体的な関与や政党との関係は、裁判の進行とともにさらに注目を集めそうだ。「1mmも負ける要素がない」と豪語した鈴木氏の誤算鈴木氏は提訴時の記者会見で「1mmも負ける要素がない」と強気だったが、裁判では一転して苦戦。後藤氏の監禁が最高裁で認定された事実を覆す証拠を一切提出できず、地裁では敗訴。高等裁判所でも、鈴木氏側は「判決と異なる事実を言えなくなる」と主張するが、中山氏は「問題は異なる事実を述べることではなく、2200万円の賠償を勝ち取った被害者を『引きこもり』と侮辱したことだ」と一刀両断。特に、シンポジウムでの「どうでもいい」発言が後藤氏個人への侮辱と認められるかどうかが、高裁での争点の一つ。地裁では「教団への発言」と解釈されたが、中山氏らは「後藤氏への侮辱」と強く主張し、逆転を狙う。8月26日、運命の判決「家庭連合は多くの裁判で敗北してきたが、この訴訟は勝訴の可能性が高い」と中山氏は自信を見せる。8月26日、東京地裁霞が関で下される高裁判決は、拉致監禁被害者の名誉と、言論の境界線をめぐる大きな判断となるだろう。「後藤さんは12年間の監禁を乗り越え、全国拉致監禁被害者の会代表として活動している。引きこもりなどではない。彼の闘いは、被害者の尊厳を守るためのものだ」と中山氏は締めくくった。この裁判は、単なる名誉毀損の争いを超え、拉致監禁の歴史と社会正義に一石を投じる。判決の日、霞が関に注目が集まる。(了)